夢からさめない夢

あるるさん、4000HItキリリクありがとうございました!!


キリリクテーマは・・・読んでからのお楽しみということで!

興味がある方は読んでから考えてみてくださいね♪



それでは、「夢からさめない夢」を、どうぞ。




ようやく芽吹いた小さな恋のつぼみ。

笑顔という光で照らして、

愛という水を注いで。



君のためにきれいに咲いてみせるよ。



でも、このつぼみはガラスのように脆いから、

どうか、その温かい両手で優しく包んで欲しいんだ。







「リュカッ!!」


パリの日曜日。

何処の教会も、粛々と神に祈りを捧げる人々で溢れている。


みんな、その瞼の裏に何を、誰を想いながら祈っているのだろう。




「のだめ!!来てたんだね!!」

のだめの声を聞いて、駆け出す両足が軽くなる。



祭壇の奥から、ステンドグラスの聖母マリアが見ている。

聖母マリアのまなざしが、僕の心まで見透かしているようでちょっと照れくさい。






のだめ、今日はピンクのワンピースをひらひらさせている。

蝶々みたい。




僕がきれいに咲いたら、君は花びらにとまってくれる?





のだめに会えたリュカの心は、今日の青空よりも澄んでいた。





すると、黒い影が

「Bonjour.」

と、リュカに声をかける。


見上げるとそこには、知らない男の姿。



誰だよ、お前。



リュカはその青い瞳で男をにらみつける。



黒い髪、白いシャツに長身のシルエット。

声は低くて、やわらかい。




『会いたい人がいるんデス。』




そう、あれはノエル。

リュカの頭に、のだめの一言がよみがえる。




なんだよっ!!!!




リュカの心は、曇り模様に早変わり。



リュカは鼻息を荒くして男に向かう。




「あんまり、調子に乗るなよなっ。」



天使のような姿をしたリュカから浴びせられた言葉。

のだめには、もちろん聞こえないように言ったつもり。

男は、あっけにとられて一歩退く。



ザマーみろ。



天使と悪魔は、表と裏で見え隠れ。




「あ、バッハ!!」


のだめが椅子に腰掛けると、パイプオルガンの音が辺り一面を包み込む。



「リュカも隣に座りまセンか?」



のだめの顔を見るのが、辛い。

あんなに素敵な笑顔を僕にくれるのに、この心はどうしてこんなにちくちくするの?




「僕はおじいちゃんの隣に座るよ。」


すまして答えてみたけれど、本当は隣に行きたい。







 "私はここであなたの傍に立とう。
 
  「どうか私を侮らないでください。」

  
  私はあなたから立ち去るまい、

  たとえあなたの心が裂けるとも。


  もしあなたの心が最後の死の打撃に

  あってあおざめるならば、

 
  そのとき私は腕とひざに

  あなたを抱きましょう。"




J・Sバッハ 《マタイ受難曲;第17曲 コラール》




「ふぉお……」





オルガンの音色は、まるで聖母マリアの歌声のようだった。 




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3月のチュイルリー公園は、春の香りでむせ返りそうだった。



門の外にはコンコルド広場からシャンゼリゼ通りがのびている。


はるか向こうには凱旋門。

池をはさんで反対はルーヴル美術館が見える。



ここは、二人お決まりの寄り道コースだった。




眩しいくらい緑色に色づいた芝生が柔らかそうで、のだめは周りに構わず寝転んだ。



「おい、服、汚れるからやめろ。」

「真一君……なんだかさっきから機嫌悪いデスよね?」



むすっとした真一の表情が、さらに硬くなる。


「別に。」

別になんて言う割には、教会を出てから会話も乏しい。



「芝生、気持ちいいデスよ?のだめ膝枕してあげまショウか?」

「いらない。」


まったく、なんで?


のだめは不思議に思ったが、真一が渋々隣に座ってくれたから満足だった。




噴水の水しぶきの向こうで、新緑で着飾った木々達が風に揺れている。



いつの間に、季節は過ぎていくのか。



めまぐるしく過ぎていく時間に、この心だけが置いて行かれそうになる。



木漏れ日が真一の広い肩を照らし、かすかに熱を帯びる。

のだめは、そんな真一の肩にもたれるこの瞬間が、最高に好きだった。



「気持ちいいデスね。」

「うん。」

「機嫌、直してくれますかネ?」

「……。」


返答は無かったが、表情は穏やかになっていた。


いつもの、優しい顔。




のだめの宝物である。



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林の中、のだめは走り出す。



おい!お前どこ行くんだよ。




『早く捕まえて蝶ダイ!!』



ボケはいいって。


真一は慌てて追いかける。



あんまり行き過ぎると、道に迷うぞ。


薄暗い、奇妙な森が見える。



『迷う?迷う必要ないじゃありまセンか。』



は?お前何言ってんだ。


そんなやりとりをしている間にも、のだめはどんどん森に向かって走っていく。

ピンクのシルエットが映る水溜りを飛び越えて、どんどん進む。




『最初から道なんてないんデスから。』



おい、ちょっと待てよ!!



とうとうのだめは暗い森にさしかかる。

そっちへ行ったら、もう戻って来られない。




行くなって!!!!




『真一君。道はのだめ達の後ろにしかありませんヨ。』









「わっ!!!?」


「真一君、よだれ出てマス。」



なんだ、夢か?

いつのまに寝ていたんだろう。


「昨日リハで帰りが遅かったデスもんね。もっと寝ててもいいデスよ?」


いつのまにか頭はのだめの膝を枕代わりにしていた。

飛び起きて、辺りを見回す。


「誰も見ていまセンって。ぷぷっ。」



夢……。



夢でよかった。





「………………。」

「えっ?何デスか?よく聞こえなかったんですけど。」






どこにもいくなって、言ったんだよ。





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「ねぇ、ヤス。」

「何?」


リュカは真剣なまなざしで黒木を見つめる。


「僕だって、まだチャンスあるよね?」

何を言うのかと思えば。

リュカは相変わらず可愛いな。

でも……。




「叶わないなんて思い込んでちゃ、やりがいがないだろ?」

「そうだよね!?僕も・・・早く大きくなりたい。」


ふふっ。

焦らなくても、時の流れは止まらない。


「しかし、リュカもまだまだだね。」

「え?!」




「ライバルは……一人だけとは限らないよ?」





春は恋の季節。

そんなの、誰が決めたの?




君の笑顔、君の愛。

きっと、欲しがっているだけじゃ手に入れられない。




                                             fine
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終わりました~!!

あるるさん、こんなんできました。なんだかイメージと違ってたら、切腹しますのでご連絡ください(汗;)

分かりづらい話で済みませんでした。

リュカ、ラーヴ。

Ricco
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by poppo1120 | 2006-02-18 21:12 | 捧げものSS
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