強敵~You're my anjel~

久々の更新になって申し訳ありませんm(--;)m


たまにはほのぼのパラレルなんてどうかなと思って書いてみました。いい加減設定等はさらっと読み流してくださいな。

それではお題から、『強敵~You're my anjel~』です。どうぞ~w








ガラス玉はきらきら綺麗だけど、地面に落とせば砕けてばらばらになるだけ。




そのカケラは時に人を傷つけたりもするだろう。


割れないように、壊さないように大事に大事に守ろうとするほど、その困難さに苛立ちさえ生じてしまう。




恋って、そんなものじゃないかな。




俺たちは、そんなガラス玉を何度も二人で作り上げては壊して、また作って・・・・・・




7色に輝く恋のガラス玉。



見ているだけじゃ物足りなくて、触れたくて、感じたくて。







誘惑の光に、翻弄され続けるのは何故だろう?








「おい、のだめ!!もっとはやく歩けないのかよ。」

「ぶっ・・・のだめだなんて。」



両手に伝わる体温に安堵する、昼下がりの公園。



「詩温くん・・・・・・・・・すっかりパパに似てママは嬉しいですヨ・・・・」


「ママ!!あっち!!!はやくはやく~」


「分かりましたから・・・・・・寧音ちゃんっ!ちょと、待って!!」



横に整列する三つのシルエットを見守りながら、征子は笑う。



「ふふっ。子どもが三人いるみたい。」



子ども達にぐいぐいひっぱられた挙句、前のめりに倒れそうになったのだめを征子が後ろから抱きとめた。


なんて優しくて、柔らかい手のひらなのだろう、と、のだめは思う。



「す、スミマセン・・・・・・」


「真一も呑気なものね~こんな腕白盛りの子ども達を預けたまま演奏旅行なんて。」



征子は薄いグリーンのシャツにショールを羽織って、いかにも品の良い装いだった。


いつもひょこっ、とパリに訪れては二人の子ども達に会いに来るのが、征子にとって最近の楽しみの一つである。







「ねぇ、お姉ちゃん!!ちょうちょ!!」


「ちょうちょ?!どこ??」



颯爽と並木道を駆けて行く子ども達に、のだめが一言叫んだ。



「ふたりとも~!!あんまり遠くに行っちゃダメですヨ。」



ぱたぱたと去っていく子ども達の背中を見送りながら、のだめは大きく一つ、ため息をついた。




「子育て、大変?」


「ぼちぼち・・・・ですかネ。でも、楽しいデス。」


「それは良かったわ。」



征子の微笑みにつられて、のだめの表情も自然と和らぐ。






「のだめも、征子さんに感謝しなくちゃ。」


「感謝?なんでかしら?」


のだめがふと、空を見上げると風に流される真っ白な雲が気持ちよさそうに泳いでいた。



「真一君を生んでくれたことに、デス。」


「まぁ・・・・・・・うふふっ。」




出会えた喜び、幸せの連鎖。




「私も感謝しなくちゃいけないわね。」


「え?」


「独り言よ。」




色づく世界に触れた体温。




人は何故生まれてくるのか?








答えは、生まれてきた命の数だけあるに決まってる。





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「パパ!!」



玄関のチャイムが鳴る。



会いたかったあの人がきっとこの扉の向こうにいるって分かる。





「お、重い・・・・・・・」



たくましい両腕にぶら下がる、二つの宝物。




「ねぇ、おみやげは?」


「やくそく!!やくそくしたもん。」


「おいおい、お帰りなさいって言うのが先じゃないのか?」






遅れてリビングから現れたのだめが、開けっ放しのドアをぱたん、と閉めた。



「ふたりとも、寝ないで待ってたんですヨ~」



家中に優しい温もりを充満させる彼女の空気に、真一はいつも安堵する。




「この笑顔が・・・・・・・天使か、悪魔か。」


「へ?」


「なんでもない。シャワー入ってくる。」



真一はジャケットを脱いでのだめに渡すと、ネクタイを緩めながらバスルームへ向かう。



「詩温もはいる~」


「わたしもパパと入る!!」


子ども達が真一の白いシャツの裾を引っ張るから、でろん、と身だしなみが乱れる。





「ちょ、ちょと!!二人ともさっきママとお風呂入ったじゃないデスか?!」


「もう一回はいるもんね~」


「ね~?」




のだめは子ども達の無邪気さに呆気にとられながら、ちらっと真一の顔を覗く。



真一はのだめの視線に気がついたのか、気がついてないのか、子ども達の頭をぽんと叩いて諭す。





「・・・・・・わかったから。お風呂は明日な。」


「え~?」


「今夜いい子にして寝たら、明日は一日中遊んであげるから。」




真一の一言に、寧音は大きな瞳をさらに丸くして、詩温は顔をくしゃくしゃにして喜んだ。










「二人とも、寝た?」




バスタオルを首にかけてびしょびしょに濡れた黒い髪を拭きながら、真一は赤いソファーに座った。


「寝ましたヨ。『明日はパパにどこつれてってもらおうかな~』って言ってました。」


「そう。」




湯気が立つホットミルクを二つテーブルに並べて、のだめも真一の隣に腰掛け、その肩にもたれた。





「早いですネ~」


「・・・・・早いな。」


「のだめはいまだに感心します。真一君の記憶力の良さに。まさかあの日を覚えているなんて。」




明日は二人にとって特別な意味を持つ日だった。



初めて二人が出会った日でもあり、結婚記念日でもある。







「・・・・・・・汚かったな、おまえの部屋。今もだけど。」


「え~?そんなことないデスって。」



のだめは角砂糖を一つ、二つとカップに入れてティースプーンでくるくるとかき混ぜる。


ミルクと砂糖が溶け合って放つ甘い香りに包まれる。






何度も砕け散ったカケラをその度に拾い集めて。



無性にやりきれなくて、虚しくて・・・・・・・・・・





でもいつも最後には愛しさに負ける。





逢いたくて、抱き合いたくて、もどかしい距離をどうやって埋めたらいいのか。





迷いもすれ違いも、痛みも弱さもなにもかもじれったかったあの頃。




そんなどうしようもない想いを解き放ち、愛という名の物語に再構築する。





その輝きに気づいた時、確かに何かが変わった。







「初めてあの場所で出会ってから10年?」


「そうだっけ?」


「覚えてるくせに~」


「・・・・・・9年だよ。間違えんな。」


「ぎゃぼ・・・・・・・・・・」





真一はホットミルクを一口啜ると、一枚の紙を取り出して、のだめの手に握らせた。





「ん。」


「なんデスか?プレゼント?」


「ま、そんなもん。」




白いB4サイズの紙には、設計図らしき絵柄が書き込まれていた。




「え、え??家?!建てるんですか?!!」


「不満?」


「も、もちろん嬉しいに決まってますケド・・・・・一体どこに?」







築いていきましょう、幸せを積み重ねながら。



安息の砦を、安寧の城を。





どうせなら、日差しをいっぱいに浴びれる広い窓を作って。












                           fine
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思いっきり好き勝手設定でお送りしました。

たまには、のほほんとした話が書きたかったんですって。


ちなみに、寧音(ねね)、詩温(しおん)は架空の人物です。(誰にでも分かる;笑)

この物語は、フィクションです。




プロデューサー兼作家、Ricco(うそ)
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by poppo1120 | 2006-05-28 14:29 | @お題SS@
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