胸騒ぎ~Baby, I am waiting for~

しみじみ思うこと、それは、RiccoのSSは電話ネタが多いということ。

すんません。電話、本人は苦手ですが小説に登場させるのは好きなんです。てへっ。


それでは、お題「胸騒ぎ~Baby,I am wating for~」です。






" 眠れよ吾子 汝をめぐりて

 美しの 花咲けば

 眠れ、今はいと安けく

 あした窓に 訪いくるまで"




「チアキ?」


手が止まってる。


指揮棒は・・・・・・・指揮台の横をころころと転がってヴァイオリンの席で留まった。



意識が一瞬どこかへ飛んだ。


なんだか・・・・変だ。



胸の辺りが締め付けられる。



胃もたれか?



いくらリハーサルとはいえ、さっきまでの集中力は何処へ消えた?


妙な違和感に思考が縛られ、思い通りに動いてくれない。



「疲れてるんじゃないのか?よし、休憩にしよう。」

「すみません。」

「気にしなくていいさ。」


本当に妙だな。

疲れているのは確かだけど、両腕が硬直して演奏を止めてしまうなんて。


なんだか・・・・・・・・どこか遠いような近いようなところから聴こえてくる。



誰かが、呼んでる。


そんな錯覚に陥る。




声が・・・・・・・・・




早く見つけてくれと言っている。






オランダ、ロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団。



ルー・マルレの常任指揮者に就任してから2年が経とうとしている。


しっかり、ちゃっかりのエリーゼの策にはまり、馬車馬のように働いているのは相変わらずだ。




オランダへ来てから2週間、本番はもうすぐ。



なのに、なぜか調子が狂う。


きっとそれが何故だか悩んでみても答えは出ない、そんな気がする。




必死に探そうとするほど、見つからない。





大切なことなんて、そんなものだろう。




明日は雨が降るらしい。







パリも、雨だろうか・・・・・・・・





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" 眠れよ吾子 汝が夢路を

 天つ使い 護りたれば

 眠れ、今はいと楽しく

 夢の園に ほほえみつつ "




雨。



鍵盤を撫でる指が止まる。



冷たいような生温かいような風が窓から漏れてカーテンを揺らす。



雨の匂いは大地の匂いと同じ。




この地球に降り注ぎ、命を潤す聖水。



その水に生かされる生命体たち。




ザーッ・・・・・・・・・






雨の音、喜びの音、命の音。





もう一度、ピアノを奏でてみる。





水の中で泳ぐピアノの周波数・・・・・・・・





《シューベルトの子守唄》




誰かが眠っている。


子守唄のメロディーに身を任せて。




なんだろう、不思議なこの気持ち。





trururururururururu・・・・・・・・・





"もしもし"


「あ、真一君。どうしました?」


"そっちも雨降ってるのか?"


「降ってマス。でも・・・・・なんだかもうすぐやみそうな感じですヨ。」


"そっか・・・・・・"


「・・・・・・?」


"あ、いや。誰かに呼ばれた気がしたからおまえかなと思って。"


「奇遇ですネ。のだめも・・・・何か妙な気配を感じるんですが、何でしょう?」


"さぁな・・・・・・・あ、外。"


「虹です!!真一君にも見えますか?」


"見えるよ。"


「はうん・・・・・・・きらきらしてきれい。虹を渡って真一君のところまでいけたらいいのに。」


"その必要はないと思うけど。"


「へっ?」


"俺が渡って来たから。"



のだめは慌てて窓から身を乗り出して、アパルトマンの中庭を探した。





「真一君!!!!」




こちらを見上げる愛しい笑顔。



思わず部屋を飛び出て螺旋階段を一目散に駆け下りる。




「こら、下濡れてるからすべ・・・・・・・」


「ぎゃぼっ!??」




虹のアーチが大空に架かって、離れ離れの時間を繋ぐ橋になる。





「ととっ・・・・・ほら、言わんこっちゃ無い。」


「受け止めてくれると信じてました!!」




しがみつく懐かしい温もり。




ドクン、ドクン、ドクンッ・・・・・・・





「どうして子守唄なんて弾いてたんだよ。」


「え?いや、なんとなくデスかね?」




ドクン、ドクン、ドクンッ・・・・・・・




「真一君の心臓の音ですか?」


「おまえのだろ。」


「呼んでます・・・・・・・」


「え?」


「あっ!!」


「え?!!」







Hero,my baby.


I'm waiting for you.




                           fine

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ははは、ついにやってしまいました。

降臨祭?(ばか)

このSSの仕掛けがわからなかった方、わかった方、どちらにせよとんでもないパラレルで失礼しました。


Ricco
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by poppo1120 | 2006-04-15 12:44 | @お題SS@
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