会いたい~Home sweet home~

お題はランダムに選んで書いていきます。

それでは、お題から「会いたい」を、どうぞ。






安らげる場所とは、少し違う。





イタリア語を始めたのは、特に理由があったわけじゃない。


・・・・・・・・いや、理由はあるか。




神様なんて存在は気にも留めたことはないが、それでも自分にとって最も神の領域に近い人間がいる。

そのうちの一人が、イタリアにいる。





幼い頃から憧れの、目標の・・・・・・大切な記憶と今という時間をを繋ぎとめていてくれる人物。




その人がタクトを振る。





"失うものなど何も無い


これ以上心を乱さずに

これ以上、迷わずに

これ以上、待ち焦がれることもない

もうこれ以上、立ち止まらなくていい


夜明けを告げる星が道を照らせば

不安に満ちた夢も終わる

夜の闇は消え去り

新しい一日が始まるだろう


素晴らしい日々がもたらされる

打ちひしがれること無く

それは永久に生き続ける"










アントニン・ドヴォルザーグ《交響曲第9番ホ短調「新世界より」》





コールアングレが歌う懐かしい響き。


愛しき場所への哀愁。




家路。




セバスチャーノ・ヴィエラの《新世界》を聴けば、例え故郷を知らない渡り鳥でも故郷を懐かしむだろう。




"目覚めは微笑みと共にあるから

この道を進もう、迷わずに


家に帰ろう


懐かしき場所まで、遠くなど無い


扉は開かれた


家に帰ろう


私は帰りたい


家に帰ろう "





懐かしいのと切ないのは似ている。



優しく、痛くない程度にこの胸を締め付ける。






恋しい。






そう、懐かしい気持ちも切ない気持ちも、きっとこの一言に隠されている。







「帰りたい」のは何処だろう。




こんなにも狂おしいほど欲する場所。






懐かしくなる時、恋しくなる時、



夜一人で眠る時、一人で食事をするとき・・・・・・そんな時じゃない。




それは決まって音楽に触れている時だということを、この心は知っている。








音をこの耳で、頭で、体で感じると、無性に懐かしくなる。



帰りたくなる。





そう、会いたいのと帰りたい気持ちは同じかもしれない。





大切な人が帰る場所を与えてくれるから。



音楽は大切な人を連想させる。




だから、切なくなる。




恋しくなる。




帰りたくなる。























『電話なんて珍しいですネ。』


「・・・・どうしてるかなと思って。」


『どうもこうもしまセンよ?いつも通りデス。』


「はは、そうだよな。どうかしてるのは俺のほうか。」


『・・・・・・いつパリに帰って来るんですか?』


「なるべく・・・早く。いや、すぐに。」


『え?』


「・・・・・・・会いたい。」






帰る場所があるから。


迷わずその元へ。




                    fine


















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短いですがこんな感じでお題やっていきます。

「家路」の歌詞は、英詞にRiccoが訳をつけました。でたらめに近いですが・・・あはん。


よく知られている日本詞のほうは、なんだかほんとに日本的にアレンジされていて違和感があったので引用しませんでした。

Ricco
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by poppo1120 | 2006-03-23 00:25 | @お題SS@
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