Nobody knows

「Nobody knows」は黒木君がマルレに入団した直後あたりという設定です。(いい加減;汗)





ますみ>ご無沙汰じゃない。のだめのくせに忙しかったとか言わないでよネ。

のだめ>ふぎゃー!!のだめだってまじめにピアノ弾いてンですヨ!!!

ますみ>そんなの知ってるわよ。あんたからピアノをとったら何も残らないでしょ。

のだめ>そんなことないデス!!・・・・・・のだめには真一君がいます。

ますみ>ちょっと~!!!生意気よ~!!!千秋様は「もの」じゃないんだから、言葉遣いに気をつけなさいヨ!!!!

のだめ>うぎっ・・・・・・それは・・・そうですケド。

ますみ>・・・・・・・何ヨあんた、今日はやけにテンション下がり気味じゃない。・・・さては、今度こそ本当に千秋様に見捨てられたのね☆

のだめ>・・・・・・・・・・・やっぱり、そうなンですかネ。

ますみ>・・・・・・・・・・・なっ、何よ。冗談よ!のだめが素直だなんて気持ち悪いったらありゃしないわ。

のだめ>うきゅきゅ☆真澄ちゃんがのだめを励ましてくれるなんて、明日パリは台風ですね。

ますみ>こんのぉ~!!キィ~!!!人が心配してやったっていうのに調子に乗ってぇ!!!やっぱり殺すワ~~~!!










シューベルト 《交響曲第8番 ロ短調》




僕がマルレに入団して、初めて演奏する交響曲。




きっと、忘れられない一曲になる。きっと。






「千秋君。こう言うのもなんだけど、髭くらい剃ったら?」


もう何日も事務所に泊り込んで、顔つきもすっかり変わってしまった。



スコアと対面しながら、ぶつぶつと念仏を唱えるかのように瞑想に耽っている。


・・・・・・・いや、五線に散りばめられた音符たちと何か会話してるのかもしれない。




「・・・・・・ごめん。今日何日?」



こっちを振り返りもせずに答える。





「9月9日だけど。」



入団して早々、テオくんに呼び出され事務所へ来てみると、待っていたのはマルレの会員名簿と大量のレターセット、そして指揮者千秋だった。

千秋君の頬骨の輪郭は、明らかにくっきり浮きたっていて、いかにも不健康そのものに見える。



「最近、恵ちゃんは差し入れしに来てくれないのかい?」


野暮なこと聞いたかな。


千秋君の譜面をめくる手が、一瞬、ピタッと止まった。




「ここへはほとんど来ないよ。あいつは。」



そう答えると僕の前のソファーへ腰掛けて、深く、短めのため息をついた。



「コーヒーでも入れようか?」


そう提案してみたは良いけど、電気ポットの中は空っぽだった。


「ご、ごめん・・・・・・すぐに沸かすから!」


焦った僕の姿を見て、


「ありがとう。」


と一言だけ答えて、少し笑った。



千秋君の笑顔なんて、どれくらいぶりに見ただろう。



マルレのオーディション以来、千秋君はほとんどアパルトマンへ帰っていない。


嵐のようにオーディションが終わり団員の補充も完了したが、このオケにとってそれは問題解決のほんの一部を消化しただけに過ぎない。

この若さで由緒あるオケの常任指揮者に任命されるというだけでも大仕事なのに、どれだけの重圧を一人で背負い込んでいるのだろう。




きっと、僕には計り知れない。



僕だけじゃない、誰にも。





ようやくポットのアラームが鳴ってコーヒーを二人分入れることが出来た。


便箋だらけになった卓上の隙間へソーサーを二枚並べて、カップを置いた。




「ブラックでよかった?」

「うん。」


僕もブラック派なんだ、なんてどうでも良いことを言ってみたりしたけど、少し後悔する。



そんなことを考えているうちに会話が途切れて、室内はコーヒーをすする音だけが響く。



沈黙は苦手じゃないけど、何か話さなきゃと気が焦るのは何故だか自分でも分からない。



「・・・一昨日、恵ちゃんに会ったよ。学校で。」

他愛も無い話題のつもりで話しかけてみる。


「そう。」

千秋君はそれだけ答えて、カップをソーサーの上に戻した。



「元気そうだった。僕もヴァカンス以来だけど、彼女に会ったのは。」


顔を上げてみると、今日始めて千秋君と目が合った。





「・・・・・・・・それは良かった。」



良かったって、元気そうだったってこと?


まあ、間違いなくそうだろうけど。





「ひと段落したらアパルトマンへ帰るんだろう?」


千秋君が帰る場所は、ひとつしかないから。




「うん。」

「きっと待ってるよ。彼女も。」



僕は何を言ってるのか。

言ったところで、当たり前のことだと一蹴されそうなことを。




「・・・・・・・・本当に待ってんのかな。あいつは。」

「え?」



想定外の返答に、返す言葉を見失ってしまう。



「あいつは、俺と一緒にいて息苦しいんじゃないかと思うことがあるよ。」




なんでそんなこと・・・・・・・・・・・


そんなはず、ないのに。





「一緒にいると、かみ合わないジグソーパズルを必死で合わせようとしているみたいに感じることがあるんだ。」

「パズル?なんで?」



素直に質問しすぎたかと思ったけど、だって、全然意味が通じないから。



「・・・違いすぎるんだろうな。価値観も考え方も。」



それは人間同士だからあたりまえじゃないの?



「で、せっかく最後の1ピースだけ埋められれば完成ってときに、その最後の1つがまた合わないんだ。」

「そんなパズルって存在するのかな・・・」

「組み合わせる途中で1ピース間違えたってことなんだろうな。」



だろうな、って。


完成させることに意味はあるの?




間違えたって、立ち止まったって、大切なのは結果じゃなくて組み立てるその過程だと思うけど。




「ま、明日には帰るよ。ちゃんと風呂入りたいし。」

「そうしなよ。このままじゃ体壊しちゃうって。」







完成した芸術より、未完成の試作品の方がよっぽど魅力的だと、僕は思う。


そもそも、終わりのある芸術なんて存在するのだろうか。




どこまでいけば完成で、何を持って完璧と呼ぶのだろう。





恋愛もまた然り、じゃないかな。



僕が言える立場でもないだろうけど。




終わりが見えないからこそ、わくわくしたり迷ったり。


喜んだり、哀しんだり。




未完成の美しさ。




僕らはみんな、そこに魅了されて恋をするのかな?






シューベルト 《交響曲第8番 ロ短調》、

別名、《未完成交響曲》。





僕がマルレに入団して、初めて演奏する交響曲。




絶対、忘れられない一曲になる。絶対。













しんいち>おい、のだめ。起きろ。

のだめ>はぅう!?真一くん、なぜ『のだめチャット』の存在を!??内緒にしてたのに。

しんいち>そんなことはどうでもいいから。

のだめ>どうでもいいって・・・・・・・真一君。どうかしましたか?

しんいち>・・・いや、・・・・・・・・・その。別に。あ、別にって訳じゃないけど。

のだめ>??わかった、とうとう恋しくなったんですネ?正直に言えばいいのに☆

しんいち>違うっ!!!!・・・あの・・・・・・・本当は今夜帰りたかったんだけど。

のだめ>わかってますヨ。ちゃんと待ってますから。

しんいち>悪い。明日には帰れそうだから。

のだめ>いえいえ。あまり無理しちゃだめですよ。

しんいち>わかってる・・・・・・・・・言うの遅れたけど。

のだめ>はい?

しんいち>・・・誕生日おめでとう。何か買って帰るよ。

のだめ>・・・・・・・・・ありがとうございマス。真一君が帰ってきてくれればそれだけでいいデスよ。




                                               fine
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チャットはみそ字だと思って読んでください。(無理?)

しかし、テオめ、黒木君まで小間使いとは見事なり。(Riccoのせい?)




Ricco
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by poppo1120 | 2006-03-08 21:00 | SS
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